湯川寺ブログ

湯の川観音祭 ご案内

八重桜も開花し始める5月、

お寺の境内でも二本の桜が開花し、最も華やかさを感じられる季節になりました。

毎年5月17日に行われている「湯の川観音祭」のご案内です。

13時から17時までの間、好きな時にお参りできる形式の行事となっています。

その中で一番大切なのは13時の祈願法要です。ぜひお参りください。

また観音祭だけの限定御朱印もご用意致します。

お参りの記念にどうぞ。

 

せっかくなので、

ここで改めて湯川寺に安置されている三十三観音の起源を簡単にお話したいと思います。

湯の川三十三観音は約190年の歴史を持つ由緒正しき観音様です。

湯川寺に落ち着くまで、時代に翻弄されながら、函館の各地を転々としてきました。

始まりは1834年、函館山に安置されました。

当時は春に山開きが行われると、住民達は函館山に登り、

観音様に祈りを捧げながら巡る「山かけ」を行ってきました。

春になったら「山かけ」をするというのが春の風物詩として、

広く親しまれてきたそうです。

その後、明治32年に函館山が日本軍の要塞となった際に、

観音様達は函館山から降ろされました。麓にしばらく置かれた後、

大正3年には湯川村(現在の湯川町)の住民達の願いで、

湯川村周辺に運ばれました。湯川寺から香雪園方面、競馬場方面、各地に置かれ、

湯の川三十三観音として親しまれるようになりました。

 

※大正3年、観音様をお迎えする様子。湯の川橋辺りの写真です。

 

その後、昭和50年まで湯川町に安置されていましたが、

道路や土地の開発、区画整理等で管理が難しくなってきた為、

湯川寺第三世住職、筒井戒蔵上人の頃に湯川寺でお預かりすることに決まり、今の形に至ります。

その後、現住職と檀家の皆様が実際の西国三十三観音巡りに行き、現地の土を少し頂いて、

参拝道の台座の下に入れ、現地に行ったつもりでお参りが出来る移土観音になりました。

函館のご先祖様達が190年前から大切に守ってきた観音様です。

この先も観音様のことを知ってもらえるように伝えていきます。

そして函館の未来を見つめ、安らぎを与えてくれるように、

大切に守っていきたいと思います。

 

※補足として

現在、函館山にも三十三観音が安置されていますが、

今置かれている仏像は戦後、新しく作られたものです。

函館山には今の観音様を巡る観音コースの他に、

今、湯川寺に置かれている最初の観音様があった場所を巡る「旧観音コース」も存在します。

その現地の話は別の機会に。

 

湯の川観音祭、観音様達と共にお待ちしております。

PDF版のダウンロードはこちらから→湯の川観音祭ご案内

 

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