湯川寺ブログ

#お寺の日常

謝を感じると感謝になる

テレビを見ていると、

ニュース番組の年内最後の放送がやっていた。

最後の締めくくり方は

 

「色々なことがありましたが、

今年も1年皆様ありがとうございました!」

 

という一言だ。

 

私達の生活は楽しいこともあれば苦しいことや辛いこともある。

本当に色々なことがある世の中だ。

だけど、どんな状況でも【最後は感謝で終わりたい】

この思いはきっと誰もが持っているものだろう。

きっと1年の終わりだけでなく、

何かのイベントの終わりや、人生の節目や、

人生の終わりにもきっと最後は感謝で終わりたいと思うのだろう。

 

 

感謝という字は、【ありがとう】のような意味で使われることが多いが、

よく見てみると、謝を感じると書く。

謝は1文字だと【謝(あやま)る】という読み方も出来るのだ。

周りへのありがとうの気持ちも、

謝ってから生まれる気持ちも、

全部含めて感謝である。

感謝

 

私の令和元年はすごく忙しい1年だった。

1人では成し遂げることが出来なかったことばかりで、

周りの方々に、本当に【ありがとう】の気持ちしかない。

だけど、お寺のお参りに加え、イベントの準備や、

法話や講演の準備なども併行して、

1人で背負い込んで心が折れそうになったこともあった。

支えてくれる人が沢山いるのに、本当は1人じゃないのに。

目の前に見えるものだけしか見えなくなっていたからだろう。

周りへの感謝を見失った時はまさに【謝る】べき時だ。

そして心から反省し謝った時に、支えられているんだということを感じて、

真の感謝の思いが生まれるのだと強く感じた。

カリー寺

便利になりすぎたこの時代、

ネットやテレビの情報など、

目に見えるものばかりを大事にしてしまいがちだが、

本当に大事なものは目に見えないところにあると思う。

人間は1人では生きていけない、家族や友人、仲間への感謝。

自然や動物や植物から頂いている命への感謝、

直接、自分の目には見えないところで仕事をしてくれたり、

物を作ったりしてくれる人達への感謝。

1人で生きているように錯覚しがちだが、

実際私達は色々なものに生かされている。

 

ありがとうの気持ちも、謝る気持ちもどちらも大事。

感謝の気持ちは来年もその先にも大事に持っていきましょう。

 

今年出会った沢山の皆様、

SNS上やこのブログを読んでくれている目には見えない皆様へ。

出会えたことを心から感謝申し上げます。

今年1年ありがとうございました!!

副住職 筒井章順

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